さまざまな素材に書き込むことができる油性ペンは便利ですよね。
ですが、間違えて床や壁・テーブルなどに油性ペンが付いてしまうと、なかなか落ちず困ります。
そんな時、油性ペンの汚れの落とし方を知っておけば、うっかり汚してしまっても大丈夫。
今回は油性ペンの汚れの落とし方をご紹介しますので、ぜひマスターしてください。
どうして油性ペンの汚れは落ちにくいのか
油性ペンの汚れがつくと、なかなか落ちないのはご存知のとおり。
しかし「どうして落ちないのか」理解している人は少ないでしょう。
まずは、油性ペンの汚れが落ちにくい理由を解説します。
油性の汚れだから
ペンには大きく分けると「水性」と「油性」の2種類があります。
2種類の違いは着色剤が何に溶けているかの違いです。
水性ペンは水、油性ペンは油(有機溶剤)に溶かしているのが特徴です。
油性ペンはその名前のとおり油性の性質を持つため、水に溶けにくく、水ではなかなか汚れが落ちないのです。
染料を使っているから
着色剤は大きく分けると「顔料」と「染料」があります。
顔料は表面に色付けをするもので、染料は素材に染み込み色付けする着色剤です。
油性ペンは染料を油や有機溶剤に溶かしているため、素材に染み込みやすく、落ちにくいのです。
樹脂や定着剤が入っているから
油性ペンは乾くとなかなか落ちません。
その理由が、落ちにくくするために樹脂や定着剤が含まれているためです。
これらの成分が含まれることで、油が定着しにくいビニールやプラスチックでも油性ペンで文字が書けるようになっています。
逆説的ですが、だからこそ落ちにくくなっているのです。
落としやすい素材と落としにくい素材
油性ペンが落としにくい理由の1つに「着色剤が染料であること」があります。
染料は素材に染み込み色付けていきますが、染み込みにくい素材の場合には、油性ペンでも比較的汚れは落ちやすくなります。
そこで油性ペンの汚れを落としやすい素材と落としにくい素材を分類しましょう。
落としやすい素材
次にあげる素材は染料が染み込みにくいため、比較的油性ペンの汚れも落としやすくなります。
・凹凸がないガラス
・プラスチックなど硬い石油製品
・アルミ以外の金属
・陶器(釉薬がかかっているもの)
・ホワイトボード
落としにくい素材
染料が染み込みやすく一度汚れてしまうと落としにくい素材は次のとおりです。
・紙
・石やレンガ、コンクリート
・木
・塩化ビニールやゴムなど軟らかい石油製品
・アルミ
落とすことができるが注意が必要な素材
油性ペンの汚れを落とすことができるものの、落とす時に注意が必要な素材もあります。
革製品は比較的油性ペンの汚れを落としやすい部類ですが、その際皮革の色も劣化しやすくなります。
布もある程度落とせますが、色落ちする可能性があります。
人の皮膚についた汚れも落とせますが、無理に落とそうとすると皮膚トラブルにつながる可能性があり、注意が必要です。
油性ペンの汚れを落としやすい洗浄剤やアイテム
油性ペンは油性の性質を持つため、油性ペン汚れを落とす時には同じ油性の性質を持つ洗浄剤を使うとよいでしょう。
・除光液
・クレンジングオイル
・エタノール
これらは油性の性質を持つため油性ペンの汚れが落とせます。
また濃度が高い液体洗剤の原液を使うことで、ある程度油性ペンの汚れを薄める効果があります。
研磨剤が使用できる素材であれば、プラスチック消しゴムや歯磨き粉、メラミンスポンジも効果的です。
これらは研磨剤で汚れを薄く削っていくことで油性ペンの汚れを取り除きます。
柑橘系の皮もオイルが含まれているため油性ペンの汚れが落ちますが、皮に含まれる色素が付着したり、皮のオイル成分で素材が溶けたりする心配もあります。
とくにプラスチック製品は柑橘系の皮のオイルで溶けるため注意が必要です。
素材別の落とし方
では実際に、どの素材にどの洗浄剤を使い落とせばよいか、チェックしましょう。
壁紙にはエタノールとメラミンスポンジ
壁紙についてしまった油性ペンの汚れは、完全に落とすことは難しいです。
しかし、エタノールを付けた後にメラミンスポンジで優しくこすると薄くなります。
この時、強くこすらないように注意してください。
またコーティングされていない壁紙は、この方法では難しいでしょう。
プラスチックには消しゴム
プラスチックについた油性ペンの汚れは、プラスチック消しゴムでこすって落とします。
それでも落ちない場合にはエタノールや除光液を使ってもよいですが、これらはプラスチップを溶かす危険もあるため注意しましょう。
木製家具は柑橘系の皮
ダイニングやタンスなど木製の家具の場合は柑橘系の皮を活用します。
まず表皮を汚れに擦りつけ、次に内側の白い部分で拭き取ります。
汚れが落ちたら水拭きと乾拭きで余分な成分を落としましょう。
この方法はコーティングされた木製家具に限り可能です。
服にはエタノール
衣類についた油性ペンの汚れは、エタノールを使用して落とします。
汚れに直接エタノールを適量垂らし、歯ブラシでこすって落としましょう。
最後にぬるま湯をかけて油分を洗い流します。
まとめ
油性ペンの汚れは、付着した素材によっては、自分で落とすことが可能です。
しかしながら、失敗すると汚れが広がってしまったり、ダメージを与えてしまったりする危険性もあります。
家の壁・フローリングなどについた汚れを、きれいに落としたいという場合は、ハウスクリーニングのプロに依頼するとよいでしょう。